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  50~66からの続きです。

67 木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・8世帯

68 木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・8世帯・築22年

69 木造2階建/切妻鋼板葺・金属サイディング外壁・8世帯・築22年

70 木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・4世帯  

71 木造2階建/切妻鋼板葺・ALC外壁・4世帯 

72 木造2階建/入母屋スレート葺・窯業サイディング外壁・10世帯・築23年

73 木造2階建/入母屋鋼板葺・窯業サイディング外壁・12世帯

74 木造2階建/切妻瓦葺・窯業サイディング外壁・8世帯

75 軽量鉄骨造2階建/寄棟スレート葺・窯業サイディング外壁・6世帯

76 軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺<カバー構法>・窯業サイディング外壁・8世帯

77 軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺<カバー構法>・窯業サイディング外壁・4世帯・築29年

78 軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺・窯業サイディング外壁・6世帯・築23年

79 軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築29年

80 軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築34年

81 軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築22年

82 軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺+ドーマ飾付・窯業サイディング外壁・8世帯×3棟・築30年




 

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木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・8世帯

 

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 下:プレゼン・セット

 調査・診断~再生設計(修繕仕様・見積)とカラーPLAN(各A3判)です。さらにページ形式の詳しい説明書(A4判)を添付する場合もあります。 

下:中間幕板の取替えと水切り改良

 階の上下間に外壁の上から幕板を貼るデザインです。幕板の取付方法には、外壁と同じ素材の製品をそのまま釘止するのと、幕板の上端に水切り板金を取付ける2つの方法があります。前者は手間が少ないため大半がこの工法ですが、難を言えば腐食や凍害に被りやすい弱点があります。

 下はそれが起きた事例で、前のような方法で修復しても必ず再発しますので、後者の水切り板金を取付ける方法に変えています。下段と右端が取付後です。


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木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・8世帯・築22年

 

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下:バルコニーの防水再建

 バルコニー内側と床の傷みが酷いですが、主な原因は外壁目地や笠木板金周りからの浸水によるものです。

 床防水の再建だけでは再び酷くなりますので、外壁周りもしっかり補強します。

 下右:雨水桝なし⇒浸透桝の設置

 排水経路のないタテ樋では、下のような「浸透桝」を設置することで雨水を処理することが可能です。

 

下左:階段柱:土間コンクリートの再建

 土間に突き刺したような鉄骨柱ですが、その周りに亀裂があると水分が抜けにくくなり腐食を早めます。できればコンクリートの台のようなもの(束石)に乗っていればベストですが・・・。

 下は、鉄柱を錆から守る本格的な再建方法で、いったん周囲を解体し、新たに鉄筋を差し込んだ後にコンクリートの打ち直しを行っています。


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木造2階建/切妻鋼板葺・金属サイディング外壁・8世帯・築22年

 

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 上:珍しい軒の出 

 切妻形の総2階建てですが、それにしても軒の出が随分あります。最近は軒の出が少ない住宅を見かけるようになりましたが、この建物は逆に「多すぎない?」と思うほどです。北の玄関側は出入りの関係で良いのですが、南側の2階は窓の上端より軒の先が下がってしまい、少し違和感があります。

 カラーデザインですが、そういうわけで見た感じの重心が上にあるように見えますので、塗分けラインをできるだけ上に置いてみましたがいかがですか?

 

 上:鋼板屋根の保全塗装 

 重ねの部分はローラーが届かない個所ですから、先に刷毛で隅々を塗っておきます。これを丹念に行うことが長寿命化の基本です。 

 

 上:金属サイディングも珍しい 

 外壁材は窯業系サイディングが一般的ですが、ここでは「鎧貼り」(よろいばり)模様の金属サイディング使っています。価格もそれなりに高いものですが耐久性に優れた点が特長です。

 しかし、弱点もあってビスなどで穴をあけるとそこから腐食が広がることがあります。電線、有線、通信、それらの函など、結構な数の取付物がビスやアンカーボルトで固定されていますが、その穴からの浸水で金属下地が侵されるのです。

 この現場ではそのような腐食部分を取替えましたが、金属サイディングに取付が必要なときは、ステン製の防水ビス使用などサビ対策が大切です。

 

下:玄関モールディング塗装 

 軒の出がたっぷりあるメリットでしょうか、ドア囲みのモールディングは表層の再塗装で済みます。


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木造2階建/切妻鋼板葺・窯業サイディング外壁・4世帯

 

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 下:プレゼン・セット

 南の間口が狭く、奥に長いコンパクトな4世帯アパートです。公道から見える範囲が狭いので、カラフル・デザインしてみました。もちろん、選ぶのはオーナーですが、最近の傾向としてグリーン系の割合が増えています。下のPLANのように基本4つのパースで、ベースカラーも偏らないように工夫しますが、結果的にグリーンになるのです。

 

 さて、「取って付けたような」と言う言葉がありますが、建築物では良い意味で使うことはありません。という前置きで、取って付けたようなバルコニーが、脱落寸前に陥っています。その修繕や代替案を中心にサマリーとしてA3判にまとめたプレゼン・セットのご紹介です。 

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 上:鋼板葺き屋根、一般的に北側に腐食が多い。

 写真では錆が結構目立ちますが、鋼板表層で止まっている初期的なレベルなので、保全(防錆中心の)塗装で充分のようです。

 

下:今にも落ちそうなバルコニー⇒アルミ製に交換

 下に柱のないバルコニーは、跳ね出し梁」といってその2倍以上奥から梁を伸ばして支える構造が一般的です。ちょうど二本の腕で子供を抱っこするような形です。バルコニーの重量はテコの原理で奥ではその半分の力で押し上げるはたらきに変わります。この構造なら相当な重さににも耐えることができます。

 しかし、その”腕”が見当たらない! そのため原状回復はできませんので、柱付きのアルミ製品に交換することになります。

 

下:アルミ既製品への交換の様子

 以前よりもスッキリしましたが、格子手摺のため中が見えますので、良くも悪くもモノが置きにくい?? 


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木造2階建/切妻鋼板葺・ALC外壁・4世帯

 

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上:ALC外壁やたくさんの修繕メニュー

 ALC=軽量気泡コンクリートの外壁ですが、アパートにはコストの関係もあってあまり見かけません。大半は窯業系サイディングを使いますが、長期耐久性能ではALCが勝ります。壁厚はサイディングの3倍程度ある割に軽量ですが、表面が弱いため保全塗装は必須です。

 寒冷地では、水分が浸み込んだ個所は凍害になりやすいため、他の壁材より丹念な点検が大切です。

 さて、見ての通り、壁面にビッシリと蔦が茂っていますが、表層の弱いALCにとっては天敵です! 修繕工事はこのアメーバー状に繁茂した大群との格闘から始めなければなりません。

上:鋼板屋根の保全塗装 積雪被害個所の横樋交換

 積雪地方ではよく見かける光景ですが、<降雪⇒融雪⇒凍結>を繰り返しながら少しずつ滑べり落ちることで横樋が壊れるしくみです。特に破風が垂直な形状は樋が外側に出るために起きやすいようです。原因はともかく、曲がりの酷い雨樋は止具ごと取り替えることになります。

 

下:ALC外壁の目地シール、凍害損壊部分の交換~保全塗装 

上:通路床・階段踏板⇒シート貼りに改良

 よくある屋根のない鉄骨階段とモルタル踏板の組み合わせです。冬期に踏板が凍結するため、融雪剤を使われる入居者さんが少なからず居られます。もちろん、使用は控えてほしいのですが、滑りやすく危ないことを考えると、防滑シート貼りをお薦めすることになります。

 

下:外構の除草・フェンス交換・擁壁の再塗装

 蔦の根切りをしっかり行い、フェンス交換やアスファルト補修を行います。根は隣家からの侵入のため承諾を得なければなりません。

 下の直立擁壁は、一般的にはクリアー塗装がお薦めですが、元の痕跡を消せないため有色塗材を使用します。


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木造2階建/入母屋スレート葺・窯業サイディング外壁・10世帯・築23年

 

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上:プレゼン・セットと完成後の外観 

 選んでいただいたカラーは「アース系グリーン」。凍害による損壊が多数ありましたが、部分貼替えに加え防水強化も兼ねて額縁形の囲み貼りも行います。 

 

下:スレート葺きの一般的な保全法とは

 下は塗装工程ですが、途中で隙間器具を差し込む「縁切り」(写真下段・左から1~2番)を行っています。これはタフスペーサーと言い、重ね葺きのスレート同士が塗装膜の接着で起きやすい腐食を抑えるはたらきがあります。この作業は一葉ごとに行い、塗装後も残置します。

上:凍害腐食や損壊部分の交換 

 このビフォーアフターで”常連”の『凍害』。 その中でも”重症”と多発の典型的な事例で、窓サッシの下周りの損壊が特徴的です。凍害部位は大小様々ですが、すべて貼替え、防水シーリング、塗装へと進めます。

下:階段手摺壁の『通気改良工法』を中心に

 屋根のない鉄骨階段はそれ自体で錆びやすく損壊も早いのですが、これに通気不足の手摺壁と、鉄骨にサイディング材で囲み貼りが加わると、被害は加速度的に広がります。改良のポイントは、手摺壁の内部通気を確保し、鉄骨や階段周りの水気を早く乾かす工夫にあります。手摺壁の上下端に通気器具を取付けましたが、これのはたらきで内部に滞留する湿気の換気が期待できます。

 

リノベーションも行いました。 次の -Ⅲ ビフォーアフター・リノベ をご覧ください。


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木造2階建/入母屋鋼板葺・窯業サイディング外壁・12世帯

 

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上:プレゼン・セットと屋根・その周りの保全 

 調査一般に、通例の劣化具合のほかに特異的な損壊も一つ二つは必ず見つけられます。しかし、逆に「これといって特異な点は見当たらない・・・」場合は突っ込みどころがなく、やりにくいアパートと言えそうです。

下:外階段と外構の整備。いわゆる”スッキリ爽やかに!”

 定番的ですが塗装を主とした保全と、外階段や外構の整頓、残置自転車バイクの処分、そして駐輪場のポリ屋根の交換など”足元”もスッキリさせるPLANをたてます。 


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木造2階建/切妻瓦葺・窯業サイディング外壁・8世帯

 

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上:”鉄は隠すなッ!”見えない危機 

 見えない診にくい、そして崩壊危機が迫る事例です。鉄骨を外壁材などで囲み貼りした構造は中が見えないため、本来なら部分解体するなどで正確に把握したいところですが、その許諾を得るのは難しいため、ある程度はカンや経験に頼ることになります。このアパートはそういった経験知や感知能力が試されるケースでしょう。

 

下:通路下端、いたるところからの悲鳴!?

 画像は通路壁下端の修繕の様子です。上部からの浸水や壁内結露による影響がこの一帯の損壊につながっており危機的な状態です。

 いったんスケルトンにしてから、損壊個所を一つ一つ溶接補強し、壁内換気もできるように改良します。

 

 下:一体、どの鉄柱が支えているの?

 「鉄骨を外壁材で囲み貼りするのは止めましょう!」・・・こう言いたくなる事例です。下の写真のBeforeでは外壁材で囲み貼りした部分が少しズレているのが見えますが、鉄錆が膨らんで壁材を外側に押し出している様子です。

 少し口が空いた所からバールを差し込むと簡単に崩れます。柱4辺のうち1辺分しか残っていないのが分かります。前と同様に溶接補強し、底の部分の囲みを止め、下がり壁の片側に換気用の隙間を設ける改良を施します。

下:手摺壁の『通気改良』

 階段・通路内側の上端を切り欠きして通気器具を取付ける工程です。本来なら板金笠木と壁との間で換気できるのが望ましいのですが、代わりの策としてその横を利用します


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軽量鉄骨造2階建/寄棟スレート葺・窯業サイディング外壁・6世帯

 

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鮮やかな色が選ばれたとき、塗料調合では彩度を下げ気味に。

 お客様が指定した色見本帳やパースの色そのまま外壁に塗ると、決めた色より派手に見えてしまい、トラブルになる場合があります。

 原因は色見本帖と建物実物との圧倒的なスケールの違いから起きる感覚的なものですが、そのため明暗を加減し彩度を下げるなどの調整とともに、お客様にも説明しておく必要があります。特にサーモンやオレンジなどの暖色や、スカイブルー、グリーンなどの原色は要注意です。

 左は『マンセル・カラーツリー』ですが、この内側・下側方向に調整すると、派手さを抑え落ち着いた感じにすることができます。

 

下左:完成直前の南西側外観。右:カラーPLAN+修繕プレゼン(A3判)

  上:スレート葺きの保全と『タフスペーサー』

 スレート材が重なっている所にそのまま本塗装をすると、塗材の粘着力により一葉ごとの隙間が塞がれてしまいます。その結果、内部の蒸れた空気が換気できなくなり、下層のルーフィング(防水膜)や、さらに下層の野地板が腐食してしまいます。上の右側2点の画像は、換気を保つための器具を差し込んでいる様子で、塗装屋さんはこれを『縁切り』と言っています。

 外壁の通気工法はすでに一般化していますが、スレート(人造材:商品名コロニアルなど)屋根でも通気隙間は不可欠で、タフスペーサーは重要な働きを担っています。

 

下:手摺壁の手摺壁の『通気改良』※前段の「74」と同様

 通路内側の上端を切り欠きして通気器具を取付ける様子です。手摺壁の下端や通路床材の劣化を抑える改良工法です。

上:基礎巾木やその汚れを抑える対策

 モルタル仕上の基礎巾木が汚くなる原因はいくつかありますが、主なものは、

❶外壁の内部や外側からの雨水や結露水の滴り汚れ ❷雨が路面から跳ねて汚れる『泥袴(どろばかま)』ですが、

このケースではその両方が重なっています。❶は、水切器具を差し込む改良で、❷は、左2番目下のように砂利の敷設で抑えることができます。

砂利の敷設は土面や舗装面より表面積が増えるため、水分の蒸発を早める効果があります。

 

下:建物に近すぎれば”害樹”

 『建物:樹木植栽:ブロック塀』。よくある住宅地の光景ですが、建物の側からはそれとの距離で天敵になることがあります。植木は十数年で屋根まで届くような大樹に育つことがあり、その落葉や根の張りで建物を害するすることも珍しくありません。成長枝の剪定など手入れは欠かせません。


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軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺<カバー構法>・窯業サイディング外壁・8世帯

 

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 上:淡いトーンの外壁が老けると・・・

 メーカー系の軽鉄造りですのでフォルムはもちろん、パーツ類全般にそれなりの耐久力があります。しかし経年による脱色で元の落ち着いた色が老けた色目に見えてしまうことも・・・。特にグレー系を混合した淡色に起きやすいリスクです。

上:スレート屋根の『カバー構法』と、ツートンカラーの強調 

 フォルムもパーツも元々”良品”。スレート屋根以外は基本的に”化粧直し”だけで瞬く間にきれいになります。

 カラー・デザインはいわゆる”映え”のあるもの。『物件探しはスマホで!』時代に合わせます。

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軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺<カバー構法>・窯業サイディング外壁・4世帯・築29年

 

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上:スレート屋根の『カバー構法』と、ツートンカラーを強調したプレゼン 

  前段『76』と同様に屋根は『カバー構法』でガルバリウム葺材を被せ、保全塗装と外構の補修や整地などがサマリーです

 

下:カバー構法の選択時期と施工の様子  

 このホームページ巻頭の『Report 1』で、『スレート材は材質性能、アスベストなどの有無・割合、時間軸と劣化の関係、といった物性面の係数や計算法がなく、実際の損壊や雨漏りがない限り、修繕頃合いの判断が難しい建材』としましたが、このケースでは、北側の劣化と軒先側の苔発生の雰囲気、築30年経過、そして次の修繕までの期間も考慮し、塗装保全ではなくカバー構法を薦める事としました。

  

下:外壁下端に『水切り』がない軽鉄造りを改良  

 左下の After は、外壁下端と基礎巾木の間に水切りを取付けた画像です。上から滴る水がモルタル面に接触しない形状になっています。

 その基礎巾木ですが、Before では濃い染みも横状に見えます。これは東西の高低差により、東側は深い所から基礎巾木を立ち上げる必要があり、コンクリート打設を2回に分けて行ったために起きた”色違い”です。この染みも汚く見えますのでモルタル専用塗装でカバーします。


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軽量鉄骨造2階建/切妻スレート葺・窯業サイディング外壁・6世帯・築23年

 

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上左:劣化しにくい軽鉄造りですが、凍害だけは・・・ 

  水分が溜まり壁内に浸み込んでいたところが凍結すると、水100:氷110の率で膨張しその周りに悪い影響を与えます。凍結の威力は水道配管も壊すほどですから、建材などは簡単にやられます。これが建物凍害で、東北地方はじめ寒冷地によく起きる被害です。

 壁と壁の目地シーリング、1階・2階の外壁見切りや中間水切り周り、窓サッシの周囲と、特に下端は被りやすいため、「内部に水分が入り込まない、浸み込まない」事前の対策が大切です。

 

上:屋根乗せアンテナの課題  

 アンテナを屋根に取付けるには複数のワイヤーフックやアンカーホールが必要ですが、その穴が原因の腐食や、鳥の糞害により鋼板やスレート材が蝕まれます。アンテナは電波状況に問題なければ壁付タイプを推奨します。屋根への負担という意味では『ソーラーパネル』の搭載についても、重量付加、取付穴、耐震性、葺き材補修の困難等々で賛否様々な意見があります。

 

下:1・2階の中間見切りや外壁目地材の保全  

 この壁材はパネル形ですが、その目地部分の防水材(シーリング)は、乾式=ガスケット、湿式=コーキングと言い、いずれかを用い、それぞれの弾性力でパッキングしています。下左2点はそのガスケットが目地から脱落している様子です。簡易に接着剤で固定し、脱落部分だけの取替えでは、別な所からも再発リスクがありますので、全体的に打ち直すことをお薦めします。

 外壁目地に加え、通路床のパネル目地材も硬化・萎縮し、雨漏りによって階下や上裏に腐食が見られましたので、ここのシーリングも交換します。

 上:外壁下端『水切改良』取付けの様子  

 前段『77』と同様に左上のの汚れは、階段周りで目につきやすいため、現場加工で水切り器具を取付けている様子です。

 

下右:敷地や土間モルタルの修復。

 寒冷なところではモルタル表層が剥離しやすく、歩行すると響きますのでよく分かります。

 右下は浸水・凍結が繰り返され、表層のモルタルが砕けている様子です。修復は荒れた表層を削ぎ落し、水勾配も付け直しています。仕上げは再発を抑えるために専用塗装を行います。  


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軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築29年

 

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 上:表面劣化の修繕と保全塗装。  

 無駄のないフォルムと超が付くほど合理的な構造ですが、外装表面材や北側壁面の経年劣化だけは避けられません。

北側の部材自体に問題があるのではなく、北側に”水回り”が4世帯分まとまってあることが原因で、メーカーやこの事例に限ったことではありません。いわば「アパートの泣き所」ですが、そのリメイクの様子をご覧ください。

 

下:折板屋根の保全塗装。

 折板屋根は工場などの事業所や大型建物によく使われることもあって耐久性は問題ない状態です。ただし、防錆対策は錆が出る前がセオリーですので、築30年を節目にしっかり保全を行います。 

 上:小さな傷口を見逃さない(部分的な貼替え)

 お客様に理解いただくために撮影したもので、左から ①左端のほんの小さな腐食 ②それをムシり始めると ③見掛けよりはるかに蝕まれているため ④サッシ下端の広い範囲を貼替え ⑤塗装完了。・・・典型的なサッシ下の腐食です。 

 

下:北側外壁の修繕貼替えの様子

 水回りが集まる北側は被害が拡がりやすいエリアです。

 ここでは「フラワーボックス」を固定するボルト(穴)と、煉瓦模様の重ね貼り個所がかなり傷んでいます。ただ、建物が鉄骨構造のため、外壁や壁内木枠あたりで止まっているのは幸いです。 


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軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築34年

 

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 上:”節目の築35年”を乗り切ろう!

 保全や長寿命化では一般的な施工法です。

折板葺きは別名「陸屋根」と言い、平らに葺いた屋根全般をそう呼んでいます。平らという事は屋根面積が少なく=ローコストです。(平らといっても水勾配はあります)ただ、雨の排水速度がゆっくりになるのため、錆が出やすいといったリスクがあります。

 上の画像で分かりますが、鋼板を折り曲げた頂部と取付ボルトがかなり錆びています。ここにはボルトキャップを取付け防錆塗装で保全します。

 

下:西側外壁の取替えと・・・

 西壁に傷みが目立ちますので、広い面積になりますが外壁を貼替えます。 同じ壁材はありませんので、近似品を用います。また、通気性改良の意味も含めタテ貼を横貼りに変えています。 

上:バルコニー手摺パネルの2トーン

 各室ごとのバルコニー・パネルと階段踊場手摺パネルの色を変えています。

 

下左:階段踏板の防滑シート貼り

 モルタル(コンクリート)踏板は経年劣化で脆くなり防水性が損なわれます。塗装やシート材で覆うことで階下や鉄材自体も守れます。

 

下中:玄関ドアの防錆塗装

 鉄扉は結露によりサビ(酸化)が起きやすいため、防錆塗装を早めに行いましょう。

 

下右:建物周りの整備

 建物周りも整理整頓です。防草シートを敷いた上に砂利敷設します。見た目の良さに加え通気環境を改善します。


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軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺・窯業サイディング外壁・4世帯・築22年

 

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上:解説版(A4ページ編集)を加えてのプレゼンも

 築年数では保全時期にちょっと早いかな?のつもりでしたが、シロアリ被害が見つかりましたので、その説明も加えたプレゼン・セットです。

上:表面に出にくいシロアリ被害の形跡

 シロアリは壁内部の木部を蝕みますが、セメント形質の外壁材には手を付けません。形跡は見えても間接的な小さなものです。

このケースでは、出窓下周りと基礎上に横帯状のそれらしい部分が発見できますが、喰いカスなどが腐って壁材に影響したもので、実際は外壁を解体してみないと被害程度は把握できません。

 解体の結果ですが、幸い軽鉄造りで構造材は蝕まれていないため、防水透湿シート、胴縁木枠、外壁材の部分的な取替えで済みそうです。

 

下:床の目地材の劣化と打ち替え 

 樹脂被膜床材の僅かな隙間からの水漏れにより、階下の天井(上裏:あげうら)に染みが現れています。床目地のシールが硬化や萎縮で性能低下したため打替えします。階段踏板に「ノンスリップ金物」も取付けます。


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軽量鉄骨造2階建/鋼折板葺+ドーマ飾付・窯業サイディング外壁・8世帯×3棟・築30年

 

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上:三連棟、バルコニー壁のカラーで変化

 折板葺きの上にドーマ付き装飾屋根を載せた建物ですが、それを固定しているボルトから雨漏りが起き、これをきっかけに3棟まとめて大修繕と”お色直し”となりました。右は、新築時は小児の背丈程の樹木が屋根の高さまで育った様子で、この機会に伐採することになります。

 

下:北側水回り付近の外壁腐食⇒貼替え 

 『79』の事例と同じように、水回りが集まる北側外壁の酷い傷みを修復します。煉瓦模様で重ね貼りした部分を中心に、断熱材、防水透湿シート、胴縁の順に貼替え、シーリングした後に塗装します。

 

下:バルコニー手摺壁の補強

 板金補強で先々の再発を防ぎます。下枠の水切り改良と併せ長寿命化を考慮した対策です。 

 

下:外壁下端の腐食と部分貼替え

 結露と水滴と凍結。この連鎖によって外壁下端はかなり傷んでいます。前々の『80』のところでも触れましたが、壁内通気が十分に機能せず、外壁表層の撥水力も低下したことで、腐ってブカブカ状態になっています。見かけ上は壁材があるように見えますが、実際は表層だけが残っている状態のため、下回り全体に外壁を取り替えます。

 下右は、低木の植栽ですが、建物に密着していますので除去することにします。 

 

下:3棟それぞれにリフレッシュ

 3棟の画像ですが、ベースカラーをチョコレート色に統一し、バルコニー壁と縦壁を色違いにしています。 



事例画像は全て当社制作物ですが、発行企業名や所在地、物件が特定できる表現、価格表示部分などは画像処理を行っています。

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